ハチは冬に入ると、冬眠をしていたり、寿命を迎えていなくなってしまうことがほとんどです。
そのため、冬に入るころにはハチの巣は空っぽになっていることが多く、活動時期に比べてあまり危険ではありません。
ですが、空になったからといって放置することはあまりおすすめしません。
そこで、今回は冬の間にハチがいなくなる理由や放置してはいけない理由などについてご紹介していきます。
これからの冬にかけてハチの巣を駆除しようか迷っている方は是非参考にしていただければと思います。
ハチの巣は冬の間空になる理由とは?
スズメバチやアシナガバチの多くは、冬になる前にいなくなってしまうことがほとんどであり、冬に見かけることはあまりありません。
ですが、ミツバチは冬の間も巣の中で越冬しているため、冬の間でも駆除をすることは難しいとされています。
では、冬の間ハチの巣が空になってしまう理由についてご紹介していきます。
スズメバチやアシナガバチは冬になる前にいなくなる
スズメバチやアシナガバチが冬に入る前にいなくなってしまうのは、様々な理由があります。
- 餌となる蛾や蝶の幼虫がいないため
- スズメバチやアシナガバチは冬頃に寿命を迎えるため
冬頃になると、9月~10月ごろに生まれた新しい女王蜂はオス蜂と交尾をし、1週間~2週間ほどで越冬する場所を求めて巣から旅立っていきます。
新しい女王蜂が巣立った11月ごろには、巣に残った働き蜂や古い女王蜂、オス蜂も寿命を迎えて巣の外で死んでいきます。
そのため、新しい女王蜂が巣立つ11月ごろには巣からハチが居なくなり、巣は空っぽになります。
ちなみに、スズメバチやアシナガバチは、その次の年も同じ巣へ住むことははなく、再び巣へと帰ってくることはありません。
注意!スズメバチやアシナガバチの女王蜂は冬の間も生きている
冬になる前にうまれた新しい女王蜂は、あたたかい土や樹の中で冬を過ごします。
しかし、住宅街ではそういった場所を探すことが難しいなどの理由から、洗濯物の陰に隠れて越冬することもあります。
そのため、冬ごろに洗濯物を取り込もうとしたら冬眠をしていたスズメバチに刺されてしまったというケースも起きているので、油断は禁物です。
冬の間は、女王蜂のみが越冬するとされていますが、近年の暖冬の影響により、働き蜂も12月ごろまで生きている可能性があるので、冬になったからといって気軽に駆除するのは注意するべきだといえます。
注意!ミツバチは冬の間も巣で過ごしている
一方、ミツバチは餌である蜜を巣に貯蔵することができるため、冬の間の巣の中で身を寄せ合って越冬しています。
特に冬の間のミツバチは、限りのある餌を守ろうとより攻撃的になっているので駆除する際は注意が必要です。
ミツバチは、スズメバチやアシナガバチとは違い、何年も同じ巣を使うため、知らないまま放置していると家の構造を侵食してしまう恐れもあります。
【関連記事】「ミツバチが巣を作る場所」
冬の間に空になったハチの巣を放置してはいけないワケ
「冬の間にスズメバチやアシナガバチの巣は空になるわけだから、空っぽのまま放置してもいいのでは?」と思うかもしれません。
ですが、空になったハチの巣を放置すると、他のハチの巣に再利用されたり、他の害虫や鳥の住処になってしまう可能性があります。
他のハチが新しい巣の材料を集めにやってくる
アシナガバチやスズメバチは、同じハチの巣をその次の年も再利用することはありませんが、他のハチが放置した巣を材料として集めに集まってくる可能性があります。
また、ハチの巣が作られたということは、「ハチの巣ができやすい場所」といえます。
そのため、古いハチの巣の近くに新たに別のハチが巣を作る可能性があるのでハチが集まってきやすい環境へとなることもあります。
更に蜂の種類に寄りますが、一部のアシナガバチは放置されたスズメバチの巣を借りて越冬することもあるため、冬であっても放置していると刺される危険性があります。
他の害虫などの住処になってしまう
スズメバチの巣は、内部に暖かい空気がたまりやすい構造になっているので、冬の寒さをしのぐにはうってつけの環境とされています。
そのため、他の害虫や害獣にとっても越冬しやすい場所なため、住みついてハチ以外の被害が及ぶ可能性があります。
こちらの記事では、使われなくなったスズメバチの巣をクモが越冬場所にしていることを確認したことが紹介されています。
【苫小牧】冬に使われなくなったスズメバチの巣を、クモなどの節足動物が越冬のすみかとして利用していることを、北大の研究員と大学院生が北大苫小牧研究林の調査で確認した。家の屋根裏にできたスズメバチの巣をクモなどが利用することは他の研究で知られていたが、自然林の巣で確認したのは初めてという。
このようにハチの巣を放置することは、ハチが集まりやすい環境をつくるだけでなく、他の害虫や害獣の越冬場所に利用されることがあります。
冬の間に空になったハチの巣は放置せず、しっかり駆除を行うようにしましょう。
ハチの巣はいなくなった冬の間に駆除しよう!
冬は活動している時期に比べて比較的安全に駆除することは可能ですが、巣の状態によっては自分たちで行うよりも、専門業者に依頼する方がよい場合もあります。
自分たちで駆除するには?
自分たちで駆除するのであれば、巣の中にハチがいないことを確認してから行うようにしましょう。
中にハチがいないことが確認できたら、以下のものを用意します。
駆除するときに用意するもの
- ハチ駆除用の防護服
- 頭に巻くタオル/帽子(頭を保護するもの・フード付きのパーカーでもよい)
- ゴム手袋もしくは軍手2枚(手を保護するため)
- 長靴(農作業用の長めのもの)
- 冬服(厚めの長袖長ズボン)
- ハチ駆除専用の殺虫剤
- 巣をはたきおとす長い棒
- 大きめのゴミ袋と虫取り網
- 懐中電灯(赤いセロファンを貼っておくとハチに気づかれにくい)
駆除する場合は、ゴミ袋をつけた虫かごをかまえ、剪定ばさみや棒を使って巣を切り落とします。
小さい蜂の巣であれば、手でもぎ取っても構いません。
切り取ったハチの巣はゴミ袋を縛り、燃やすごみで出すようにしましょう。
駆除したあとは巣作り防止の対策も忘れずに!
ハチの巣ができている場所は、ハチにとって巣作りがしやすい場所とされています。
そのため、また別のハチが巣を作ることがないよう、巣作りを防止する対策を行うようにしましょう。
簡単なのは定期的に蜂駆除専用のスプレーを巣ができやすい場所に噴霧しておくことです。
巣の作りはじめにあたる4月~5月ごろに吹き付けておくと、ハチが巣を作りにくくなるので、巣ができないようにしっかり予防策を行いましょう。
他にも巣作りに役立つグッズなどをこちらの記事でご紹介していますので、是非参考にしていただければと思います。
自分たちで駆除できないときは業者に依頼しよう
- 「冬の間でもまだハチがいて駆除することが難しい」
- 「手が届かないところ/狭い場所にハチの巣があって駆除できない」
そんなときは、専門業者に依頼するようにしましょう。
自分たちで駆除するといっても刺されるリスクはゼロではありません。
専門業者に依頼すると、蜂の巣を適切に駆除してもらうことができます。
特に冬の間であれば業者によっては、繁忙期よりも料金が安く設定されているところもあるので、活動時期に入る前に業者に依頼するとおススメです。
是非、業者に依頼するメリットや費用について解説しているので、是非参考にしていただければと思います。
- 【関連記事】「ハチ駆除の費用相場はどのくらい?」
- 【関連記事】「蜂の巣を駆除を依頼する業者の選び方」
まとめ
今回は、冬の間のハチの巣がどうなっているのか、冬のハチはどのようにして過ごしているのかについてご紹介していきました。
アシナガバチやスズメバチの巣はほとんど、冬の前に寿命を迎えて巣からいなくなるものの、女王蜂のみは土や樹の中で越冬します。
一方で、ミツバチは巣の中で働き蜂と女王蜂が身を寄せ合って越冬するので、冬の間であっても警戒が必要です。
アシナガバチやスズメバチの一部は他の蜂の巣を借りて越冬することもあるため、空っぽになったハチの巣であっても放置せず、なるべく駆除を行うようにしましょう。
自分たちで駆除することが難しいようであれば、専門業者に依頼することをおすすめします。
【ハチ駆除センター】でもハチの巣駆除に関してご依頼を承っておりますので、是非お気軽にご相談ください。