蜂を駆除するスプレーには「合成ピレスロイド系」の成分が入っていることが選ぶ上でのポイントとなりますが、他にも選ぶときに知っておくと便利なポイントがあります。

今回は、蜂を駆除するときに使うスプレーの選び方と使用する際の注意点などについてご紹介していきたいと思います。

「蜂の巣に効くスプレーを知りたい」「より効果のあるスプレーのやり方を知りたい」という方は是非参考にしていただければと思います。

但し、蜂の巣を駆除するスプレーを使用するのに少しでも不安を覚える方は、業者に依頼するようにしましょう。

蜂駆除スプレーの選び方

では、蜂の巣を駆除するのに効果のあるスプレーを選ぶポイントをご紹介していきます。

合成ピレスロイド系の成分が入っているかどうか

「合成ピレスロイド系」とは、ピレスロイドという天然の除虫菊を乾燥させた花から抽出された「ピレトリン」に似た化学化合物に様々な化学化合物を混ぜたものです。

合成ピレスロイド系の主成分ピレスロイドとは、害虫の皮膚や口から侵入し、神経作用をマヒさせて殺虫する化学物質です。

また、ゴキブリやハエなどの殺虫剤にも利用されており、即効性が高く、致死性の高いものも多く開発されています。

蜂はゴキブリやハエよりもこのピレスロイドに弱く、蜂全般に効果があります。

蜂の巣を駆除するスプレーを選ぶときは、まず「合成ピレスロイド系」が含まれているものを選ぶようにしましょう。

ピレスロイドと同様の効果を持つ化合物

ピレスロイド以外にも同様の効果を持つ化合物は他にもあり、それぞれに違った効果があります。

下記に挙げられる成分は、ピレスロイドと同様の効果がある化合物です。

プラレトリン	ハエ、蚊に対して特攻性があり、速効性が優れている。蒸気圧が高いので加熱式の殺虫剤に主に使用される
フタルスリン	ピレスロイドの中でも特に速効性がある
レスメトリン	ハエ、蚊、ゴキブリに効果があり、特に致死性が高い
メトフルトリン	揮発性があり、蚊に対する防除効果を発揮する
アレスリン	ハエや蚊に効果がある成分であり、速効性が高い
フラメトリン	ハエや蚊に対して効果があり、速効性が高い
フェノトリン	耐光性、水中での安定性、残効性がある。また、広い範囲の害虫にも優れており、有機リン剤が効かない害虫にも効く
ペルメトリン	耐光性、残効性がある。また、広い範囲の害虫にも優れており、有機リン剤が効かない害虫にも効く
エムペントリン	衣料防虫剤に主に使われ、揮発性がある
イミプロトリン	特にゴキブリに対して速効性がある
トランスフルトリン	揮発性があり、蚊に対する防除効果を発揮する
シフルトリン	致死力、残効性がある
シラフルオフェン	有機ケイ素殺虫剤に使用され、水稲分野の殺虫剤で広く使用されている
フェニトロチオン	有機リン剤殺虫剤に使用され、広範囲の害虫に有効。遅効性だが、残構成があり、毒性が低い
ヒドラメチルノン	食毒専用の殺虫剤であり、効果が半年ほど続く
フィプロニル	速効性があり、有機リン系やピレスロイド系とは違った効果で抵抗性害虫にも効果がある
イミダクロプリド	毒性が低く、神経伝達を阻害する効果がある

他にも忌避剤で使用されている成分やピレスロイドの効果を増強させる成分などもあります。

「ピレスロイド系の殺虫剤がなかなか見つけにくい…」という場合は上記の化合物にも同様の有効成分があるので是非探してみてください。

即効性と噴射威力の高さがあるか

蜂の巣を駆除するスプレーを使用する際は、あまり巣に近づかないですぐに蜂に効くもの＝即効性があるものを選んだ方が刺されるリスクを軽減させることができます。

ピレスロイド系の殺虫剤であっても噴霧距離が短いものもあるため、巣に近づかず、遠距離で駆除したい場合は即効性がありつつも、広範囲で使用できる殺虫剤を選ぶようにしましょう。

植物やペット、子どもなどに影響しないか

蜂の駆除スプレーに使用されているピレスロイド系は、人間の体内に入ってもすぐに体内から排出されるため、あまり人体に影響がでることはありません。

但し、妊婦さんやお子さんがいる家庭、植物やペットと住んでいる家庭であれば、使用する場所から離れてもらうなどの対策を行うようにしましょう。

駆除業者がおすすめする蜂駆除スプレー5選

では、蜂駆除のプロがおすすめするスプレーをご紹介していきます。

【最大12m噴射】ハチアブマグナムジェット(アース製薬)

反撃阻止効果成分が配合されており、ハチの攻撃意欲を失わせる効果があります。

さらに無風時で最大12m噴射できるので遠くから大量の薬剤を噴霧させることができます。

また、巣から3mの距離まで近づくことができれば巣をまるごと駆除することができます。

巣作り防止効果が1カ月続くので、巣作り防止の際にも使用することができる駆除スプレーです。

スズメバチ用の「スズメバチマグナムジェットプロ」も販売されているので、スズメバチの場合はこちらのスプレーを使用してみてください。

【4カ月巣作り防止】ハチ・アブバズーカジェット(フマキラー)

速効殺虫成分、羽ばたき防止成分、行動停止成分の3つの効果でハチの動きを素早く止めて反撃する隙を与えません。

最大12mまで強力噴射するので、遠くからでも巣ごと駆除することができます。

あらかじめ巣が作られそうな場所に噴霧しておくと、最大4カ月巣作りを防止することができます。

スズメバチにも効果がありますが、スズメバチの場合は効くのに数分かかることがあり、またスズメバチの巣の駆除には使用しないよう注意しましょう。

【ノックダウン効果抜群】ハチノックV(住化エンバイロメンタルサイエンス株式会社)

ノックダウン効果が高く、薬剤に触れたハチを速効でノックダウンします。

最大3m強力噴射し、遠くからでもハチを捕らえることができます。

風上から3m離れてハチの巣に噴霧すると巣ごと駆除することが可能です。

但し、スズメバチも駆除することは可能ですが、スズメバチの巣を駆除する場合は大変危険なため専門業者に依頼することをおすすめします。

【トリガーノズルで狙い撃ち】ハチ・アブスーパージェット(アース製薬)

最大11m先からハチを狙い撃ちすることができます。

ハチを反撃させないハチ無力化効果が配合されており、飛び回るハチやアブを速効で駆除することができます。

巣作り防止効果もあるので、あらかじめ噴霧しておくと巣作りさせないようにできます。

【ワイドとジェットで切り替え可能】ハチの巣激減　ワイド・ジェット(アース製薬)

巣の駆除や飛び回るハチを駆除するときはジェット噴射で、巣作り防止や広範囲に噴射するときはワイドジェットと切り替えることが可能です。

反撃されない成分と速効成分が含まれているので遠くから安心して駆除することが可能です。

蜂駆除スプレーを効率よく使用する方法

ハチを駆除する場合、まずは下記の条件に当てはまるかを確認するようにしましょう。

• ハチの種類はアシナガバチやミツバチか
• 巣のサイズは15㎝以下か
• 巣の全体が把握でき、手が届く距離に巣があるか

ハチを自力で駆除する方法についてはこちらの記事を参考にしてください。

【参考記事】『自分で蜂の巣は駆除できる？安全にできる駆除方法と注意点』

蜂駆除スプレーを使うときの注意点

最後に蜂の駆除スプレーを使う時に注意したいことをご紹介していきます。

薬剤を吸い込みすぎない

蜂の駆除スプレーに使われているピレスロイド系の薬剤は、環境や人体にも優しい成分が配合されていますが、多量に吸い込んでしまうと体調に影響を及ぼすことがあります。

めまいや吐き気などの体調不良が現れた場合は、直ちに使用を控えるようにしてください。

噴射するときは遠くから噴射し、密閉空間では使用を避けるなど、直接吸ってしまわないように注意しましょう。

使用上の注意点をしっかり守る

駆除スプレーにはそれぞれ使用上の注意が書かれているのでしっかり読んだうえで使用しましょう。

スプレーなので可燃性が高いものや火気に近い場所では使用を控え、屋内で使用しないように注意してください。

また、駆除できる蜂の種類がそれぞれ違うので、どの蜂に有効なのかもチェックするようにしましょう。

自力で駆除が難しいときは業者に依頼する

とにかく自力で駆除が難しいと少しでも判断したときは迷わず業者に依頼することをお勧めします。

「刺されるのが不安」「スプレーだけで駆除できるか分からない」など、駆除に対して不安な場合は自力で駆除した方がかえって危険なこともあります。

また、スズメバチなど毒性の高い蜂の場合は専門業者に依頼した方が安全なこともあります。

蜂の駆除で少しでも不安を感じるのであれば【ハチ駆除センター】までお気軽にご相談ください。

-まとめ-蜂の駆除はピレスロイド系スプレーを使うべき

今回は、蜂の駆除で使うスプレーをご紹介していきました。

蜂駆除スプレーを選ぶ場合は、ピレスロイド系のものを選ぶようにしましょう。

また、速効性、反撃抑止成分、噴射距離があるスプレーを選ぶと安全に駆除をすることが可能です。

但し、自力で駆除することが難しい場合は迷わず専門業者に依頼するようにしましょう。