気をつけているつもりでも刺されてしまうことがあるハチ。数あるハチの中でもアシナガバチは比較的おとなしいハチとされています。ですがスズメバチ同様人を襲うハチとしても知られています。
アシナガバチに刺されてしまったとき「どうしていいかわからない」とパニックになってしまうのが実は一番怖いことです。
というのも落ち着いて対処できないからです。
今回はアシナガバチに刺されたときの応急処置について解説します。病院へ行く前のチェック項目やアシナガバチに刺されたときのNG行為などについても合わせて解説するので、ぜひ最後までご一読ください。
目次
アシナガバチの特徴
人を襲うハチとして知られているのは、スズメバチ・アシナガバチ・ミツバチだとされています。
中でもアシナガバチは比較的おとなしいハチとされていますが、ときには人に向かってきます。というのも女王蜂や巣を守る必要があるからです。近寄ったりしなければ襲ってこないのです。
しかし山道でのハイキングやゴルフ場でのプレイ中、また山間部では林業従事者など知らないうちに巣に近寄ってしまい刺されてしまうケースがあります。最近では都心部でも見かけるアシナガバチの特徴について確認しておきましょう。
- 全体的にスリム
- 後ろ足が長くフラフラと漂うように飛ぶ
- 素早く動けない
- 体長は5~2.5cm前後
アシナガバチに刺された!5つの応急処置
スズメバチ同様、アシナガバチが持っているハチ毒は放っておけません。アシナガバチに刺されたらしておきたい応急処置について5つ解説します。
ただちに離れ距離を置き安全な場所へ
アシナガバチに刺されたら、ただちにその場から離れ安全な場所へ移動しましょう。できるだけ遠くに離れることが望ましいです。大津市のサイトによればハチが追いかけてくる距離は80メートルにもおよびます。(参考:大津市)
避難するときはできるだけアシナガバチを刺激しないよう注意が必要です。手で振り払ったり大きな声をださないようにしましょう。
アシナガバチに刺された部分をよく洗う
ハチ毒は水に溶けやすいため、アシナガバチに刺された部分をよく洗いましょう。洗うときは冷やせる効果も期待できることから流水が好ましいです。ですが外出中ならペットボトルの水で代用しましょう。このときゴシゴシこすってはなりません。
アシナガバチの毒を出す
アシナガバチに刺された部分をよく洗ったら、可能な限り毒を出します。このとき口を使って吸い出してはなりません。万が一、口の中に口内炎などの傷がある場合、吸い出したハチ毒が体内に入りさまざまな症状を引き起こしてしまうからです。
ポイズンリムーバーがあれば使用しましょう。なければひねったりしぼったりするなどが効果的です。
炎症を抑えるために塗り薬を使用する
抗ヒスタミン剤やステロイドなどの塗り薬で炎症を抑えましょう。ただ素人判断せず医師もしくは薬剤師に相談することが望ましいです。(参考:国立感染症研究所病原微生物検出情報IASR)
アシナガバチに刺された部分を冷やし安静にする
アシナガバチに刺された部分を冷やし安静にする
可能な限りアシナガバチに刺された部分を冷やして安静に過ごします。冷やす場合は清潔なぬれタオルなどを使用しましょう。
アシナガバチに刺された部分を冷やす理由は、血管収縮を利用しハチ毒が体内に回るのを遅らせる効果が期待できるからです。
症状をくまなくチェック!病院へ行く前に確認すること
アシナガバチに刺されたら念のため病院に行く準備をしておきましょう。というのもアナフィラキシーショックなどの危険性があるからです。ここからは病院へ行く前に確認することを解説します。
安全な位置にいるか
アシナガバチに刺されたあと、避難した場所が安全なのか確認しておくことが重要。アシナガバチの追撃を受けたら危険だからです。
市街地ならば近くの電信柱などで現在地の確認もしておくと安心できますよ。
刺された局所の状態を確認
アシナガバチに刺された部分の状態をまずは確認しておきましょう。
- 痛みやかゆみの有無
- 皮膚の色が変化していないか
- 腫れの状態など
以上を確認しておくと病院へ行ったときスムーズです。
全身の状態を確認
アシナガバチに刺された際、まれに全身症状を引き起こす場合があります。アナフィラキシー症状の可能性も考えられるため、全身の状態をよく確認しておきましょう。
病院は何科?アレルギー科・内科・皮膚科・小児科
病院へ行く場合は、アレルギー科・内科・皮膚科のいずれかで受診します。小児の場合は小児科でも可能です。
アシナガバチに刺されたら「虫だから大丈夫」だと思うのは危険。全身症状が現れたらただちに医療機関を受診し、適切な治療を受けましょう。
アナフィラキシー症状が見られる場合は、救急科への受診を速やかに行ってください。
アシナガバチに刺されたときNG行為とは?
虫刺されだからと油断してはなりません。アシナガバチの毒はスズメバチほどではありませんが、アナフィラキシー症状を引き起こすこともあるのです。
可能な限り安静にして過ごしましょう。
アシナガバチに刺されたあとお酒を飲むのはNGな行為です。というのもアルコールが血管を拡張させ毒の回りが早くなってしまうからです。飲酒同様、激しい運動や入浴も当日は控えましょう。
こんなときは迷わず救急車を呼ぼう「アナフィラキシーショック」
「ハチに刺されるのは2回目、アナフィラキシーが心配」と言われることがあります。理由は短期間に2回刺されるとアナフィラキシーを起こしやすいと発表されたからです。
アナフィラキシーとは?注意すべき症状
アナフィラキシーとは、なんらかのアレルゲン物質が体内に入った場合に起こるさまざまな全身症状のことです。
- 消化器症状……腹痛・下痢・嘔吐など
- 呼吸器症状……呼吸困難・ぜんそく症状など
- 皮膚の症状……湿疹・じんましんなど
- 全身の症状……めまい・発熱・冷や汗・血圧低下など
上記の症状が複数急激に合わさって現れる現象の中でも、呼吸困難や血圧低下を伴うショック症状が見られる場合をアナフィラキシーショックと定義づけ、命にかかわる非常に危険な状態としています。
アナフィラキシーショックを起こしたときにしてはならないこと
アナフィラキシーショックが疑われる場合してはならないことは、体位変換です。体位を変えることによって急変する可能性があるからです。
- 急に座ったり立ち上がったりする
- 背負う
- 抱きかかえる
以上の行為は危険なためやめましょう。アナフィラキシーショックが疑われる場合は、横になり足を持ち上げておくのが鉄則です。
嘔吐を伴う場合は顔を横に向け気道を確保するようにしましょう。
救急車を呼んですぐに病院へ
アナフィラキシーショックが疑われる場合は速やかに救急車を呼びましょう。すぐに病院で適切な治療をしないと命にかかわるからです。
放っておいて治るものではありません。(参考:アナフィラキシーガイドライン)
アシナガバチに刺される前に駆除をプロに依頼:まとめ
アシナガバチはスズメバチに比べておとなしいハチです。ただしハチの巣を刺激した場合、働き蜂が危険を察知し、攻撃を仕掛けてきます。
というのもアシナガバチは女王蜂や幼虫を守らなくてはならないからです。いわば種を保存するための防衛本能だと言えるでしょう。
アシナガバチに刺された場合にしておきたい5つの応急処置は以下の通りです。
- ただちに離れ距離を置き安全な場所へ
- アシナガバチに刺された部分をよく洗う
- アシナガバチの毒を出す
- 炎症を抑えるために塗り薬を使用する
- アシナガバチに刺された部分を冷やし安静にする
ただし以下のようなアナフィラキシー症状が見られた場合は、命の危険があるため速やかに救急車の出動要請をしましょう。
- 消化器症状……腹痛・下痢・嘔吐など
- 呼吸器症状……呼吸困難・ぜんそく症状など
- 皮膚の症状……湿疹・じんましんなど
- 全身の症状……めまい・発熱・冷や汗・血圧低下など
アシナガバチの巣を身近で発見したら巣の駆除を早めに行うことが大切です。おとなしいハチだからと安心してはなりません。
アシナガバチを襲うスズメバチも存在するからです。
アシナガバチを見かけたり巣を見つけたりしたら、ぜひ弊社までご相談ください。