「クマバチって人を襲うのかな?」「毒とか持ってそうで怖い…」など、家の周りをうろうろしているクマバチがどんなハチなのか分からず不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
実は、スズメバチなどに比べ、クマバチは人を襲わない大人しいハチとされていますが、その扱いには注意が必要だとされています。
そこで、今回はあまり知られていないクマバチの生態や家の周りでクマバチを見かけたときにどうすればいいのか対処法などをご紹介していきたいと思います。
是非、家の周りでクマバチを見かけたときの参考にしていただければと思います。
目次
クマバチってどんなハチ?
日本には「クマバチ」と称されるものが5種あり、それぞれ特徴や分布が違います。
在来種として挙げられるのは下記の5種となります。
- キムネクマバチ
- アマミクマバチ
- オキナワクマバチ
- アカアシセジロクマバチ
- オガサワラクマバチ
また、近年クマバチの外来種として見かける下記の2種が日本で発見されています。
- タイワンタケクマバチ
- ソノーラクマバチなど
ちなみに日本で「クマバチ」と称されるものは、北海道から九州にかけて広く分布している「キムネクマバチ」を指します。
今回はよく知られている「キムネクマバチ」についてご紹介していきます。
クマバチの特徴
クマバチには下記のような特徴があります。
- 体長2cm以上
- ずんぐり体型
- 胸部に黄色い細かい毛が生えている
- 全身が黒い
- 羽が黒っぽい飴色
- 羽は小さめ
クマバチのオスとメスの見分け方
クマバチのオスとメスにはそれぞれこのような特徴があります。
メス
- 顔全体が黒い
- 複眼が切れ長
- 額が広い
- 顎が大きい
- 全体的に頭が大きく見える
- 毒針を持っている
オス
- 複眼が丸く大きい
- 額が狭い
- 黄白色の毛が密接して生えている
- 全体的に頭が小さい
- 動くものに近づいてくる
- 毒針がない
特に大きな違いとして挙げられるのが、毒針の有無です。
クマバチで毒針を持っているのはメスだけなので、お尻から針が出ているかそうでないかで見分けると分かりやすいのではないかと思います。
また、オスは「ホバリング」と呼ばれるメスに近づく習性から、動くものに反応して近づいてくる習性があります。
見分ける場合は、刺激を与えないようにそっと観察するようにしましょう。
クマバチの巣の作り方
クマバチは初夏、太い枯れ枝や垂木(たるき=屋根の骨組みのひとつ)などの木材に細長い巣穴を掘ります。
巣の中には夏の羽化にむけて花粉や蜜が多く集まっており、幼虫を覆うようにこれらを団子状にして一匹ずつ間仕切りをしていきます。
そのため、巣の周りでは積極的に花粉や蜜を運ぶクマバチの姿が見られますが、巣に直接危害を加えなければ襲われることはありません。
ただし、クマバチの巣穴は直径1cm〜1.5cmほどしかないので、見つけるには至難の業であるといえます。
また、他のクマバチも同じ場所で巣を作る習性があるため、同じ家屋で複数の巣を作るおそれがあります。
知らない間に家の骨組みに穴を空けられると、穴から雨風が侵入することで雨漏りの原因になることもあります。
家の構造に大きな影響を与える可能性があるので、人をあまり襲わないといっても早急に巣を撤去する必要があります。
竹ほうきにも巣を作る?
近年、日本各地で外来のクマバチが多くみられるようになり、家の構造に営巣をする被害が増えています。
中には、庭によく置いてある竹ほうきの中に巣を作っているケースも見られるようになりました。
庭に竹の支柱を立てていたときに刺され、指先が腫れるという被害が報告されています。
ニュースでは竹の支柱に巣を作られていたとされていますが、頑丈な竹ほうきなどにも巣を作ることがあるので注意が必要です。
是非、こちらの記事を参考にしていただければと思います。
クマバチの危険性
冒頭で解説したように、クマバチは見た目のわりに大人しい性格をしています。
羽音が大きく、獰猛なイメージがありますが、ハナバチの仲間であることから人に関心を持つことなく、ひたすら花を求めて単独で行動しています。
オスは近づくと針で刺すような行動をしますが、毒針を持っていないので刺すことはありません。
知らないうちに巣を刺激してしまったり、メスの個体を驚かすと刺される場合がありますが、アナフィラキシーショックが出なければ刺されても重症に至ることはありません。
クマバチの巣を駆除する方法
万が一、「最近よくクマバチがよく飛んでいる」「屋根裏を見てみたらクマバチの巣穴を見つけた」といった場合、どのように対処すれば良いのでしょうか。
もしクマバチの巣を発見したときは早急に駆除作業を行うようにしましょう。
駆除作業は自分で行うこともできますが、業者に依頼することをおすすめします。
自分で駆除する方法
ハチの巣の駆除に慣れている、比較的早期に巣を発見した等自分で駆除ができそうな場合は以下の方法でも駆除を行うことができるのでご紹介していきたいと思います。
≪用意するもの≫
- 防護服(もしくは厚手の作業着)
- レインコート(防護服の上に着用)
- 長靴
- 軍手
- ゴーグル
- 帽子
- クマバチに効く殺虫剤
- 懐中電灯
- ほうき
- ちりとり
- 細い棒
ここで注意したいのが、みにつけるものを「黒っぽいものにしない」ということです。
ハチの天敵である熊と認識される可能性があり、ハチが攻撃的になることがあるので注意しましょう。
また、強い香水や洗剤の香りがするとハチが嫌がり、駆除するのに支障をきたすおそれがあるので、匂いの強いものは避けるようにしましょう。
≪駆除する手順≫
駆除する主な手順は下記の通りです。
- 日没から2~3時間後に駆除作業を始める
- 懐中電灯で巣穴を探す
- 巣穴から2m以内の距離で殺虫剤を噴射する(1分程度)
- 巣穴からハチが出てくるようであればその都度噴射する
- 巣穴からハチが出てこなくなったら細い棒でハチを掻き出す
- 落ちた巣やハチをほうきとちりとりで掃除する
- 巣穴を木工用パテで塞ぐ
ポイントは日没後に作業を行うことです。
クマバチが花粉や蜜を運び終えて巣へ帰るのが、日没あたりになり、ハチが寝静まって大人しくしている時間を狙って駆除作業を行うと比較的楽に駆除作業を行うことができます。
また、全体的に肌を露出せず、ハチの侵入を防ぐ為にもガムテープなどで完全防備をするようにしましょう。
クマバチを駆除を業者に依頼するメリット
クマバチの巣は先に述べたように自分たちで駆除を行うことも可能ですが、「刺されるか不安…」「完全に駆除するのが難しい…」等、自分たちで駆除をすることが少しでも難しいと感じるようであれば業者に依頼するようにしましょう。
業者に依頼するとやはり費用がかかるのがデメリットに感じるかもしれませんが、それ以上に大きなメリットがあります。
業者に依頼すると、
- 今までの経験から様々な巣に対して対処することができる
- プロが使う道具で迅速にハチを駆除することができる
- 巣ができたあとのアフターフォローも相談したり対策を行ってくれる
などのメリットがあります。
なにより、自分が刺されてしまうという不安や毎日ハチがいないかおびえて過ごすことから一日でも早く解放されます。
「少し不安だけど費用がかかるから自分たちで頑張って行おう」と不安があるなかで駆除作業を行うことはかえって危険な行為となります。
クマバチは比較的大人しい性格ではありますが、メスは毒針を持っているので刺される危険性は必ずあります。
このような場合でも、業者に依頼することをお勧めします。
是非、自分で駆除することに少しでも不安があるようであれば迷わず業者に依頼するようにしましょう。
まとめ
今回は、クマバチに関する生態や駆除する方法などをご紹介していきました。
ハチのなかでも比較的大人しい性格ですが、メスのクマバチは毒針を持っているので刺される危険性があります。
何より、家の構造に巣が作られてしまうと家を傷める要因になるだけでなく、家自体の強度を下げてしまうおそれがあります。
また、クマバチの巣穴は屋根裏に入らなければ見つけにくいので、クマバチの巣穴を見たことがない方にとっては見落としてしまう可能性があります。
クマバチやクマバチの巣を発見したら早急に業者に駆除依頼をするようにしましょう。
クマバチなど、ハチの駆除にお困りのことがあればお気軽に弊社「ハチ駆除センター」までご相談ください。